少し前までは、日本の歯科矯正は10代が圧倒的に多く、自分の意思で歯科矯正を行っていた患者が少なかったのです。 ところが近年、自分の意思で、自分のお金で、「歯科矯正をしよう」という意識をもった人が増えてきています。
ここが、歯科矯正に不満を感じる人の多さにも通じているのではないかと思います。 歯科矯正の治療を行った人を年代別で見ると、都市部では20代が最も多く、次いで6〜3歳で乳歯と永久歯が混ざった時期の矯正です。
次が13〜19歳で永久歯にはえかわったあとの10代の矯正です。 2001年に発表された「T歯科大学水道橋病院矯正歯科における過去10年間の新規来院患者の動向について」によると、20代が34.2%、6〜3歳が28.1%、13〜19歳は23.6%となっていて、「O大学歯学部附属病院矯正科」の調査での20代が最も受診者数が多い、という報告とも一致しています。
地方では、少し傾向が異なって、歯科矯正を行う年代は、10代がメインで、70〜80%を占めているといいます。 残りは、その母親世代の30〜40代が歯科矯正を受けているという現状です。
じつは都市部でも、少し前までは地方と同様、10代がメインでした。 年々、20代で歯科矯正を行う人が増えてきたため、割合が逆転したのです。
地方も含め、今後、大人の矯正がますます増えていくのは間違いのないところだろうと予想されています。 また、男女比率でいえば2対8、データによっては3対7と、どちらにしても圧倒的に女性が多い現状です。
都市部では、20代女性の歯科矯正が最も多く行われていますが、最近の傾向として、30代、40代、さらに50代女性の矯正が増加しているのが特筆すべきところです。 このように、大人の矯正が増え、子ども時代の矯正とは異なり、私たちが自分の意思と自分のお金で歯科矯正を行うようになって、歯科医師やクリニック選びに不安を感じ、ともすると、矯正経験者が矯正治療そのものに不満を覚えてしまっている現状がわかっていただけたのではないかと思います。
その背景には、専門研修を十分に積んでいない歯科医師であっても矯正治療を行えること、信頼できる矯正専門の歯科医師がどこにいるのかわからないこと、現在の認定医制度や専門医制度は必ずしも頼りになるものではないこと、新しい治療法が次々と出てきてどれが自分に最適なのかがわかりにくいこと、などがあります。 だからこそ私たち患者は、自分の目で歯科矯正を専門としている歯科医師かどうか、正しい治療法が行われているクリニックかどうかを見極める必要があると思います。

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